午前零時の訪問者 5



「お前を信用しないわけじゃないがな。金が絡むことだから、一応契約書にサインしてくれ」
そう高杉に白い紙を渡されて、むしろ土方は安堵した。土方としても、確実に松平が助かるという保証が形として欲しかったのだ。
「なんて書けばいい?」
「そーだな。『私、土方十四郎は法に背かない限り、高杉晋助の命令に絶対服従を誓います』とかでどうだ?」
「……それって契約書って言うのか?」
「そんくらいシャレがきいてるほうがいいじゃねェか。あー、その前に『松平片栗虎の借金3千万円を立て替えて貰うかわりに』とか付け加えとかなきゃいけねェな」
言い方は意地悪だが、的確に土方の心配事を取り除いてくれる高杉は、やはり優しいのだろう、と土方は内心で感謝した。
ほぼ高杉に言われた文面に署名を記し拇印を押して「これでいいか?」と手渡す。
「十分だ。これは俺とお前の契約で、互いが守ってる限りは誰に見せるわけでもないんだからな」
そう言うと高杉は、契約書を金庫に仕舞った。
「さて。これで契約成立だ。約束通り、俺は12時までに相手の口座にネットで3千万振り込んで、松平のオヤジにも借金が消えたことを伝える。が、その前に」
コト、と高杉は土方の目の前にダイヤが散りばめられた純金製の悪趣味な腕時計を置いた。針は午後10時少し前を指している。
「まずはお前に契約を遂行してもらおう」
気のせいか、少し高杉の雰囲気が変わったような感じがした。今までの見慣れた、一見怖そうだけど普通の高校生から、一週間前に松平の家で見た、冷酷非情なオトナの男に――
「な、にをすればいい……?」
高杉の変貌にゴクリ、と土方が唾を飲む。
夕食はもう済ませた。夜食を作れというのか。それとも晩酌のつまみか。あるいは、掃除か洗濯か――
「惚けてんのかァ?夜、夫が嫁にすることっつったら一つっきゃねェだろうが」
底冷えのする隻眼がじっと土方を見据える。
「一応初夜だからな。選ばせてやるよ。ココでヤられてェか?ベッドがいいか?てめェで脱ぐか、俺に脱がされてェか?」
だが真っ白になった頭が理解を拒絶する。
「返事がねェってことは希望はないってか?じゃあ俺が決めてやる。…今ここで俺がお前ェをひん剥く」
抵抗する隙などなかった。
その場で床に押し倒され、身に付けていたTシャツとスウェットをあっという間に脱がされてしまう。下着一枚で高杉に組み敷かれてもまだ、土方には何が起こっているのか理解できていなかった。
「たか、すぎ……?」
不思議そうに自分を見上げてくる土方に、ククッと高杉の喉が鳴る。
「いいぜェ。お前のそういう無垢なところがすっげェソソる。忘れられねェ初体験にしてやっから期待してろ」
「なに… アッ?」
いきなり首の横を軽く咬まれて愕きの声をあげる。
「やっ、高、す、ぎっ……」
甘咬みしては舐め、舐めては咬み、の繰り返しに頭の芯がボゥッと霞んできた。
このままではどうにかなってしまいそうで、少し待って欲しくて軽く高杉を押し返したのだが、それが気に入らなかったようだ。
「絶対服従だって言ったはずだがなァ?」
聞き分けのないヤツにはお仕置きだ、と言うと土方の両手首を頭上で一つに縛り上げてしまった。
「イイコにしてりゃ優しくしてやる。けど、これ以上逆らうようなら手加減しねェぜ?お前の態度次第で松平の運命も変わってくんだってこと忘れんな」
未だ、これから自分の身に何が起ころうとしているのか半信半疑であろうに、涙目の土方がコクコクと頷く。
それでいい、と高杉が満足げに土方を見下ろす。
高杉とて手荒な真似はしたくないのだ。ずっと手に入れたいと望んでいたのだから、できれば優しくしてやりたい。
だが、戸惑って怯える土方が可愛くて、ついつい苛めたくなってしまって困る。これ以上意地悪をする口実を与えないよう、土方には素直にしていて欲しい。
「あ、ふぁっ……」
無抵抗に愛撫を受け入れる土方は、驚くほど感じやすかった。本当にこれが初めてなのかと、何度も抱かれ開発されきった身体なのではないかと疑いたくなるほど。
「てめェほんとに初めてなのかよ。それでこんな乳首ビンビンにおっ勃ててる、って実はすげェ淫乱なんじゃねェの?」
言葉で辱められて、羞恥に身体を紅く染める様は壮絶なほど色っぽい。
思いっきり感じさせて善がらせて狂わせて、高杉に抱かれるための身体にしてやるつもりでいたが、特にテクニックを使う必要もなさそうだ。大したこともしていないのに、すでに爆発しそうに身悶えている。
「お前ェがこんな男に抱かれるのが好きなエロ魔人だとは知らなかったぜ。安心しな。空っぽになるまで達かせまくってやるからよォ」
との予告通り。まずは12時5分前までたっぷりと責められて3回イかされ。
「金を振り込むから自分の目で確かめろ」とパソコンの前に連れて行かれ、その後松平に連絡を取って、間違いなく借金が消えたのを確認した(松平と直接話すかと言われたが、とても平静な声が出せる自信がなかったので、後日あらためて連絡することにした)
そうして事務処理が済んだ後は明け方近くまで。本当にもう一滴も残っていないのではという位、回数も分からないほど達かされまくり、同じ位高杉の精液も注ぎ込まれた。
そして。
「悦べ、土方。これからは毎晩、これ以上に可愛がってやるからよォ」
高杉の言葉に、一抹の不安と、それを遥かに上回る期待で身体を震わせる土方なのであった――

*おわり*



引っ張った挙句ぬるいエロですみません…泣
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